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毎日新聞作品紹介③

◇船の迫力と立体感
画面左でひときわ大きい満帆の船は、砲を74門備えた3等艦だ。オランダの国旗が見える手前のスループ型帆船を威嚇している。画面右には、カッターと呼ばれる快速帆船とそのすぐ左には漁船らしき小舟、その奥にはイングランド南西部ドーセット州にあるセント・オールバンズ・ヘッドが見えている。
ターナーが船を熟知していたことがうかがえる本作は、1891年の展覧会で「海景」というタイトルで出品されていた。しかしその後、水彩画の総目録から漏れ、長年取り上げられなくなっていた。
やっと広く知られるようになったのは1983年になってからである。日本での公開も今回が初めてとなるが、柔らかい水彩画のイメージを覆す、迫力と立体感のある作品である。(北九州市立美術館学芸員 河村朱音)=つづく
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■写真説明 「セント・オールバンズ・ヘッド沖」 1822年ごろ 水彩・紙 ハロゲイト、メーサー・アート・ギャラリー © Mercer Art Gallery, Harrogate Borough Council

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